マインドフルネスとは、いまこの瞬間に経験していることを、ありのままに受け入れる心の態度のことです。
マインドフルネスを学ぶことにより、日々の生活において経験する感情や思考に対して、評価をしたり批判をしたりすることなく、より労りを持って受け入れる心を育てていくことができます。
休憩するつもりでコーヒーを入れたのに、気づいたらコーヒーが無くなっていて飲んだ気がしない、休んだ気がしない、というような体験はないでしょうか。
コーヒーを無意識に飲みながら、心はさっきの電話での会話や、この後しなければならないことなどを考えていたかもしれません。
コーヒーはカップから無くなっているので、確かにコーヒーを飲んでいたはずなのに、振り返ってみるとコーヒーの香りや味、温度などを覚えていない、そのような経験はないでしょうか。
このようなとき、私たちは自動操縦状態にあり、心身にとって本当の意味での休憩と呼べるものにはなっていないかもしれません。
マインドフルネスについてもっと詳しく
エビデンスを基に体系化されたMBSRを通じて、マインドフルネスを体験的に学ぶことにより、自分自身の行動や思考のパターンを理解することができるようになります。また、マインドフルネスは関わり方の実践とも言われ、人や環境を変えることは難しい一方で、それらへの関わり方を変えることは可能であることを学びます。 私たちは日々の多くの時間を脳による自動操縦によって反射的に対応している(reacting)と言われています。MBSRでは、そのことを理解し、より意図的に賢く対処する(responding)ことが可能であることを学びます。具体的な方法として、「思考」「身体感覚」「感情」に気づく実践を重ね、日々に体験する出来事をより明確にありのまま理解するということが出来るようになっていくと、より明晰な心で置かれている状況への対処が可能となってきます。
子どもと関わる日々には、多様な子どものニーズへの対応や、保護者との関係など様々な負担や緊張が伴います。尊いお仕事や役割である一方で、携わる皆さんの消耗は大きいことと思います。子どもたちと関わる場所以外で起こる心配事や悩みもあったり、日々忙殺される中で、ご自身のメンタルケアのことは置き去りにしたり、気掛かりではあっても後回しにしているということはありませんか。
近年の日本と同じように、欧米でも教職員のストレスの増加に関わる様々な報告が増え続けており、生徒だけでなく教職員のメンタルヘルスも課題となっています。
イギリスではウェルビーイングディレクターという心身の健康に関する責任者を配置する活動をする団体があります。アメリカではマインドフルネスを教師自身が学び、生徒にも伝えていくマインドフルネスディレクターを配置する活動を行う団体が生まれています。またデンマークでは、教師のトレーニングにマインドフルネスが活用されています。
最初はMBSRを受講する時間を作るなんて難しいと思われるかもしれません。あるいはそのような時間があったら休息を取りたいと思われるかもしれません。MBSR修了者の中には、MBSRを進めていくうちに、むしろこの時間を持つことで、日々の業務の効率が上がった、疲れにくくなった、という報告が少なくありません。子どもの心身の健やかな成長を見守るためにも、まずはご自身の心のケアから初めてみませんか。
研修などとして団体でお申込み頂くことも可能です。その場合、下記の特典もご利用いただけます。
子どもの頃、感情をあらわにしたときに「泣いちゃダメ」とか「我慢しなさい」と言われたことはありますか。大人になった私たちの中には、強い感情が表情や態度に表されることや、ネガティブな感情を抱くことを良くないこととして学んだ人も少なくないのではないでしょうか。感情や気分の扱い方を学ぶ機会もあまり無かったかもしれません。けれどもそれらとは上手く関わる方法があります。
マインドフルネスによってそれらを学ぶと、ネガティブかポジティブかにかかわらず自分の感情を大切に扱うことができるようになり、その態度が自分を大切にすることに繋がります。また自分に対してそのように接していると、子どもの感情もより大切にできるようになり、子どもとより深い部分で繋がることができるようになります。すると子どもも自分の感情と自分自身を大切に出来るようになっていきます。親御さんとお子さんの間の関係性もより安心感、信頼感のあるものへと変容し、この良い連鎖がお互いのマインドフルネスをより深く強くしていきます。
多くの子どもたちは、小学校に上がると毎日同時に幾つもの教科を同時進行で学んだり、宿題や時間割、様々なことを通して、「優先順位を決めて効率よく物事をこなすこと」「目標を持って着実にそこに向かうこと」を身につけるよう求められます。これらはとても大切なスキルですが、自分には出来るという自信や、自然と湧き上がる興味や好奇心などの価値にも気づいて、それらによる強い土台を築けていてこそ身につけられ、発揮することが出来ます。マインドフルネスはその土台の作り方を教えてくれます。
10代に近付いて自分に対する洞察が深まるようになる頃、子どもは答えの出ない疑問を抱いたり、今までに経験したことのないような困難な感情に出会い苦しんだりします。段々と親子以外の関係が増え、親子間に少し距離が出来てくるこの時期も、親御さんのマインドフルな態度はお子さんの心のホームベースになります。そして親御さんの態度から伝え続けられるマインドフルネスはお子さん自身がこの混乱の時期とどのように向き合っていくかをそっと教えサポートしてくれます。
可知 三枝子
精神保健福祉士
社会福祉士
MBSR講師 in Training(IMA/IMCJ)
Mindfulness and Compassion Yoga 講師(IMCJ)
International Mindfulness Center Japan, MBSR (Mindfulness Based Stress Reduction) 修了
International Mindfulness Center Japan, MBCT-D (Mindfulness based Cognitive Therapy for Depression) 修了
International Mindfulness Center Japan, MBCL(Mindfulness Based Compassionate Living)修了
International Mindfulness Center Japan, MBCT-TIF(Mindfulness based Cognitive Therapy -Taking it Further)修了
International Mindfulness Center Japan, MBCT-L(Mindfulness based Cognitive Therapy for Life)修了
International Mindfulness Center Japan, BW-P(Breath Works for Pain)修了
メンタルヘルスや福祉の領域において様々な人生と出会い、その一部に関わらせて頂きました。
いろいろなことがある人生の中で、マインドフルネスは私自身の日々の土台でもあります。
マインドフルネスは人生における避けられない辛い出来事や困難を無くすことはできませんが、それらの体験を柔らかくし、ご自身を助けてくれるものとなるかもしれません。
ご自身のために、お子様のために、生徒さんのために、きっかけはいろいろかと思います。
もし宜しければ、ご一緒にマインドフルネスの旅を始めてみませんか。